言葉にならないコトバを
名字
『たいちゃんのみょーじってなに?』
夕方の公園
あたしの頭のずっーと上にはお月様があたしたちをみている。
『ぼくのみょーじ?』
『うん。たいちゃんのみょーじ』
あたしたちはブランコに乗りながらおしゃべりをしていた。
『うんとね…。ゆーきだよ?』
結城太一 (ゆうきたいち)
これがたいちゃんの名前だ。
『ゆーき?』
『うん。ゆーき。ゆーきたいち』
たいちゃんが満面の笑みで言う。