言葉にならないコトバを
あたしはお月様を見ながら呟いた。
『たいちゃん?』
『なに?』
たいちゃんがまっすぐな瞳であたしを見つめてくる。
『ちかがおっきくなったら…』
『たいちゃんと同じみょーじになりたいな』
まだまだ小さい子供だけど…
いっちょ前にそんな事を言っているあたし。
『同じみょーじって?』
たいちゃんは理解できていないようだ。
『ママが言ってたんだけど…。結婚ちゅるとね、みょーじ同じになるんだって』
たいちゃんは首を傾げてる。
『だからちかがおっきくなったらたいちゃんと結婚したい』
たいちゃんがブランコから降りてあたしの目の前にきた。
『たいちゃん?』
不思議そうにたいちゃんを見るあたし。