言葉にならないコトバを
「ただぃま…」
元気のない声であたしは言う。
「おかえり。遅かったじゃないの。もう行くわよ」
もう荷物はトラックにつまれていた。
ママとパパが車に乗り込む。
あたしも行かなきゃ…
たいちゃんと最後の別れ…
「たいちゃん…」
「千佳…」
見つめ合うあたしたち。
車の窓からママが
早くして
と怒鳴る。
「千佳。またな」
「うん。たいちゃん。またね」
あたしとたいちゃんは繋いでいた手を
離した