どこまでも、蒼く


なんだよ。
このテンション。
俺は朝からそんな気分じゃないですけど?


『…切っていい?』


俺は頭を掻きながら、ハイテンションのすばるを軽くあしらう。
でもそんなことをしたってすばるは話を続けるのだ。

もう慣れた。
やはり慣れは必要なのかもな。


《待て待て!今から迎えに行くから!着いたらメールするな!》



…お前は俺の気持ちを無視すんのかよ?


俺の言い分を聞かずに、すばるはこう言って電話を切った。

開いた口が塞がらないとは、このことを言っているようだ。

朝から苛立ちが募る。



『…うぜぇな』


眉間に皺を寄せて、俺は行こうとしていた洗面所へ向かう。
歯を磨き、鏡を見て髪の毛をセットする。


今流行りの髪型。
俺の髪の色は、オレンジ色で茶色のメッシュが入っている。

勝手に美容師にやられた髪色。


でもみんなに『似合う』と言われて気分は悪くはないけど。


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