どこまでも、蒼く


自分から選んでいるのだろう。

自分が苦しくなる道を…

道を歩いていると、今日は平日のせいか、休日より人気があまりない。
俺はそんな道を独占して歩く。

自分の気持ちを噛み締めながら。

そして考える。
…例えば、これからのこととか。


普通に接すればいいんだよな?

でも普通ってなに?


頭の中が混乱してくる。一本の糸がこんがらがるような。


それに苛立ちもある。
慶汰のこと。

この半々な気持ちを抱いて、家を目指す。
家には癒されを求めに帰るのにものなのに、俺の家は癒やしどころかストレスを感じる家だ。

でも行かなくてはいけない。
早く一人立ちしたいと思う今日この頃。


マンションに着き、慣れた操作で部屋を目指す。

ドアノブを握った瞬間、あることを思い出した。

酒臭さの残る廊下。
慶汰を抱え込むありさの姿。

もしかして慶汰…いる?


< 116 / 329 >

この作品をシェア

pagetop