どこまでも、蒼く


すっかり忘れていた。
慶汰が今日、仕事が休みだと。

ドアノブを操り、部屋へと続くドアを開けて、中を伺う。

まだ酒の独特な匂いが残っている。
しかも部屋が真っ暗ということは、慶汰はまだ寝ているということ。
靴はあるし。

俺は物音をたてずに、静かに靴を脱ぎ、自分の部屋へ行こうする。


俺が部屋のドアを開けているとき、隣の慶汰の部屋のドアがゆっくりと開いた。

張り詰める空気。
固まる自分。


『嵐、お前なんでいんの?』


ボサボサの髪の毛を掻きながら、マヌケな面を見せる慶汰。
俺の顔を見ながら欠伸をしている。
しかも上半身裸。
無駄な脂肪などなく、細い体にほどよい筋肉がついている慶汰の体は、女なら生唾を飲むほどだろう。

俺は男だし、そんなふうにはならないけれど。


『は?お前が帰って来いって言ったんだろーが』


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