どこまでも、蒼く
やっぱりこの家には癒やしがない。
求める方が間違っているけど。
『言ったけど授業は?まだ昼前だぞ?』
『気分が悪いから早退。で?話ってなに?』
『なんだよ、それ』
溜め息混じりに小言を言って、慶汰は部屋の中に入っていく。
そして数秒後、スエットを着た慶汰が出てきた。
『今ありさ寝てんだよ。だからリビング行くぞ』
こう言って、俺をリビングへと行かせる。
ありさという名前を聞いた途端、また苛立ちが募ったのは言うまでもないだろう。
静かな空気が漂っているリビングに入る、二人の男。
俺と慶汰だ。
カーテンの隙間からは太陽の光が差し込んでいる。
そこが一番明るくて、まるで何かの逃げ道のようだった。
ソファーに座り、俺は黙ったまま何も話さない。どうせ怒られるのは分かっているから。
慶汰の行動を見ていれば分かる。