どこまでも、蒼く


『いつか家族になるかもしれねぇんだぞ?!お前はまだ考えがガキ過ぎるんだよ!!』


その言葉に頭の中にあった一本の糸がぷつんと切れた。

俺がガキ?

この言葉が一番腹が立つ。
成長出来ないのはお前のせいだろうが。

ふざけんじゃねぇよ。


『俺がガキ?ふざけんなよ。勝手なこと言ってんじゃねぇ』


勢いよくリビングのドアを閉める。
その爆音が部屋中に響き渡った。
耳の奥まで残るような音。
だけどそれより体が熱い。

苛立ちを態度で表すように、拳をつくり壁に八つ当たりをした。

広がる、痛さ。
でも今の俺には感じない。

俺は自分の部屋へと戻らずに、この息詰まる空間から逃げ出した。

カーテンから覗く一筋の光から逃げるように。


ドアを開けると真っ青な空があるから…。


…きっと慶汰は俺のことが邪魔なんだろう。


また自分の存在価値が分からなくなっていく。


< 120 / 329 >

この作品をシェア

pagetop