どこまでも、蒼く
『いつか家族になるかもしれねぇんだぞ?!お前はまだ考えがガキ過ぎるんだよ!!』
その言葉に頭の中にあった一本の糸がぷつんと切れた。
俺がガキ?
この言葉が一番腹が立つ。
成長出来ないのはお前のせいだろうが。
ふざけんじゃねぇよ。
『俺がガキ?ふざけんなよ。勝手なこと言ってんじゃねぇ』
勢いよくリビングのドアを閉める。
その爆音が部屋中に響き渡った。
耳の奥まで残るような音。
だけどそれより体が熱い。
苛立ちを態度で表すように、拳をつくり壁に八つ当たりをした。
広がる、痛さ。
でも今の俺には感じない。
俺は自分の部屋へと戻らずに、この息詰まる空間から逃げ出した。
カーテンから覗く一筋の光から逃げるように。
ドアを開けると真っ青な空があるから…。
…きっと慶汰は俺のことが邪魔なんだろう。
また自分の存在価値が分からなくなっていく。