どこまでも、蒼く
…冷静さを取り戻すために、賑わしい繁華街を歩いていた俺。
この時間に制服姿の学生がいたら不思議がられるのは承知の上。
さっきから振り返られるのが分かる。
だけど他人。
俺はそんな視線を無視していた。
ふと横を見ると、そこには大型の書店があった。俺はなぜか立ち止まり、吸い込まれるかのようにその書店の中へと入っていく。
自動ドアが反応をし、俺を中へと案内をする。
特に見るものもないが、なぜか立ち寄ってしまったのだ。
でもこの行動はちょっとした運命だったのかもしれない。
俺の足は写真集の置いてある場所に向かっていた。
なぜかって?
それは陽菜が好きな写真家の写真集を見るため。
『確か、坂井雅だったっけ?』
小さく独り言を呟く俺。この時にはもう、苛立ちは無くなっていた。
写真集コーナーへたどり着くと、そこには何かに悩む、セーラー服姿の…
陽菜がいた。