どこまでも、蒼く
手がじわじわと汗を掻いてくる。
なに…これ。
こんなの初めてだ。
初めて人と体を合わせるときより…ずっとずっと…緊張をしている。
やっぱりお前が特別だからかな…。
『今ね、坂井雅さんの新しい写真集を買おうとしてたの。でね、どれにしようかなって!』
『そっか。俺も欲しいと思ったんだよな。陽菜の影響で』
一冊の写真集を取り出すと、その写真集の表紙が思わず唾を飲むほどの綺麗さで…
また魅力にハマっていく。
『…陽菜?』
するとどこからか、陽菜の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
聞いただけで惚れてしまいそうな美声で…。
ゆっくりと顔を傾けると、そこには俺と同じ学ランに身を包んだ、男が立っていた。
零れ落ちそうなほど大きな瞳に、無造作にセットされた柔らかそうな髪質。
俺より学ラン姿が似合う。
一言で言ったら、美男子。
でもどこか誰かに似ている。
『…紘人?《ひろと》』
…こいつ、誰?