どこまでも、蒼く
これまでが、今日の昼間にあった出来事だ。
ちゃんと二人には紘人は双子の弟だと言ったのに、それをなかなか理解してくれない。
もう説明するのがめんどくさくなった俺は、口出しなどしずに、二人が繰り広げる会話を聞いていた。
『嵐どうすんだよ。案外手強い奴だったりして』
…だから姉弟なのに恋愛なんてしねぇだろ。
『実はもう関係があるとかな』
…お前は小説の読みすぎだ。
『…馬鹿じゃねぇの?んなことあるわけねぇだろ』
否定をする俺。
否定しなければ自分の感情が保たない。
あって欲しくないことだから。
俺はアスファルトに腰を下ろし、呆れた表情を二人に見せる。
すばるは肉まんを食べ終えたのか、ゴミを捨てに行くため、その場を立ち上がる。
『嵐、すげぇ大事なこと忘れてるぞ』
人差し指を俺に向けて差し、真剣な顔を向ける。
『なにが?』
『恋愛は個人の自由だ』