どこまでも、蒼く
きっとご飯でも食べに行っているのだ。
もう夕飯時だし。
俺はいらない。
さっきコンビニで軽く済ませたから。
真っ先に部屋へと行き、自分の城に着いたという安心感から、体の力が徐々に抜けていく。
『あー…疲れた』
ベッドに横たわり、疲れたを吐き出していく。
目を閉じたら、このまま寝れそうだ。
瞼をゆっくりと閉じていく。
ちらつく夢の始まり。
あと少し、あと…少し。
でも現実はそんな俺を簡単には寝さしてはくれない。
突然鳴り響く音楽。
少し荒っぽい音は俺の性格を表しているよう。
この音楽を聞いた俺は、目を閉じたまま眉間に皺を寄せて、音のなる原因を手で探る。
携帯が鳴っている。
サイレントにしておけば良かったと、自分をひどく恨んだ。
『ったく誰だよ…』
サブ画面に写る文字。
いつも悪いタイミングだ。
『千夏?』
《着信 千夏》