どこまでも、蒼く


ブレーキを掛けたくても、スピードはゆっくりだけど出ていて。

思い切りブレーキを掛けても無意識のうちにアクセルを踏んでいる自分がいる。


もう不可能かもしれない。
こんな感情、初めてだ。

でもこれが好きということ。
話したくても話せなくて、でも話したくて。
臆病な自分と積極的な自分が交差をする瞬間。

あなたはどっちになりたい?
臆病な自分か、
積極的な自分。


俺は積極的な人間になりたい。


『あのさ、陽菜…』


ほんの少しだけ勇気を振り絞り、陽菜に話しかけようとした時だった。


『そういえば、陽菜?あの人に会えた?』


紘人の何気ない言葉。
だけどそれが俺を暗い闇へと突き落とした─…。


あの人─…。

俺の知らない存在。


『…まだ会えてないの』


それは…誰?


どうして…
恋愛は思い通りに進まないのだろう。



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