どこまでも、蒼く
曇った気持ちのまま空を見上げると、空も曇っていく気がした。
俺の心を表しているかのよう。
休み時間、すばると馨と千夏と陽菜と…そしていつものメンバーに紘人が加わった新しいグループで仲良く会話をしていたときのこと。
昨日、すばるはあれだけ陽菜の双子の存在を怪しがっていたのに、そのことを忘れたかのように紘人と楽しそうに話す。
だけど俺は体だけその輪に預けて、心だけは違うところにいた。
ずっと、陽菜の横顔を目で追っていたのだ。
唇を噛み締めながら。
《まだ会えてないの》
お前は誰に会いたいの?
俺の知っている人?
嫉妬なんてしたくないのにしざるをえないじゃないか。
こんな醜い自分は嫌だ。
…自分が自分に苦しめられたまま、もうすっかり空はオレンジ色に染まっていた。
夕方が訪れたのだ。
長い1日がもう少しで終わりを告げようとしていたが、俺にはまだ予定がある。