どこまでも、蒼く
そう、それは千夏との約束。
昨日遊ぶ約束をしたからだ。
こんな沈んだ気持ちでは遊びたくないのだが今更断るのも千夏に悪い気がした。
憂鬱さを抱えて帰る支度をする。
すばると馨には千夏と遊ぶとだけ伝えて二人で帰ってもらうように言っておいた。
オレンジ色に染まる教室が普段とは違う雰囲気を出す。
ふと何かを思い、机の中に手を入れる俺。
『あれ?』
昨日ノートに描いていた絵が…ない。
破ってぐしゃぐしゃにして机の中に入れておいたはずなのに…。
『ま、いっか』
別にいいか。
見られて恥ずかしいものだけど俺が描いたと分かるはずがないし。
鞄を持って、千夏の所へと向かう。
もちろん陽菜の姿はもうない。
それと紘人の姿も。
『千夏、行こうぜ』
『ちょ…ちょっと待って!あたし職員室に行かなきゃ!まだ課題出してないの!だから門で待ってて!』