どこまでも、蒼く
陽菜と仲良く帰っていく姿に少しだけ嫉妬をしていた俺を思い出す。
でも目の前には紘人。
…陽菜は?
『嵐は格好いいし、モテるのは当たり前か』
こう言って、新しく作られた紘人の専用の下駄箱から、紘人は少し汚れたハイカットの靴を取り出した。
見慣れたはずの靴についている星のマークが何故か格好いいと思ってしまう。
紘人が履くからだろうか。
錯覚に違いないけれど。
紘人にこう言われると嫌みに聞こえてしまうが、悪気はないのだろう。
『…モテないけど?』
『そうか?俺は格好いいと思うよ?嵐のこと』
靴に履き終えた紘人は振り返って言葉を並べていく。
そして思い出す。
《あの人には会えたか?》
紘人の言葉を─…。
《まだ会えてないの》
陽菜の言葉を─…。
教えてくれないか?
このもやもやとした感じ、嫌いなんだ。