どこまでも、蒼く


紘人も苦しんでいる。
俺なんかよりずっと。

我慢してきたんだな。
ごめん。
陽菜と一緒にいたかったんだな。
ごめん。


でも紘人は俺が想像していたより、もっともっと苦しめられていた。

体中を流れる血に。
そして繋がった関係に。

なんて言っていいか分からない。
どうしたらいいのか分からない。


『…紘人…』


同情なんてされたくないかもしれないけど、してしまう自分がいる。
俺なんかが苦しいという言葉を使ってはダメだ。
そう、紘人を見て思った。


『…いつか話す。それまでは待ってくれ。駐輪場に陽菜が待ってるからそろそろ行くな。じゃあまたな』


袖で涙を拭いて、紘人は俺の前から去って行った。

心にぽっかりと開いた穴の中を、冷たい風が吹き抜ける。
その度に、痛いと思ってしまうんだ。


…紘人はそのうち話すと言ってくれた。


だけど俺はもうこの日に知ってしまったのだ。



陽菜の会いたい人を…



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