どこまでも、蒼く
~6.他人と恋人~
俺は現実から逃げた。
そして何かに怯えるかのように、部屋に閉じこもった。
気がついたときにはもう日曜日で…。
生徒手帳を拾ったのは水曜日。
沢山の時間を捨ててきた。
沢山の空を見送ってきた。
俺が見てきた空は雨で、悲しくて泣いているように見えた。
そんな空を見て俺は、
『一緒だな』と言葉を零しただろう。
何日か経っても、頭の中は整理出来なくて、床の片隅に置いてある生徒手帳を見たら、また破滅するんじゃないかって怖い。
千夏との約束は破った。初めてかもしれない。
あの日、生徒手帳を持って逃げ出した俺に対して、千夏は一切怒らず、『大丈夫』だと言ってくれた。
けどそれが本心なのかは分からない。
『どういうことだよ…』
頭を抱えて悩む一匹の哺乳類。
つまり俺だ。
答えを見つけ出したいのに、見えなくて。
現実の世界を拒否する。