どこまでも、蒼く
久しぶり…なのか…。
それすら分からない。
なぜならば、俺の頭が水曜日からストップしているから。
そいつは公園のベンチの上に立ち座りをして、ぼんやりと空を眺めていた。
その横顔が街灯に照らされていて余計綺麗さを際立たせる。
『…紘人…』
俺はそいつを遠くから見つめ、小さくこう呟いた。
そいつとは紘人だった。なぜこんなところに?
そして悲しい瞳。
なんでそんな悲しそうなんだよ…
頭に浮かぶ、紘人の涙。あの涙の意味は一体?
《この血さえなければ自由になれたのに》
涙を流しながらこう言った紘人。
お前が抱えるものは…
何ですか?
一歩、一歩、紘人に近づく俺。
雨で歪んだ土の上を歩いていく。
そして紘人が俺の存在に気がつき、目を丸くさせた。
『…あ…らし?』
『久しぶりだな、紘人』