どこまでも、蒼く
俺は人の事情とか興味なんてないけれど、紘人の抱える問題を聞いたとき、切なくて涙が出そうになったんだ。
枯れたと思った涙は、
まだあったようだ。
涙は永遠になくならないものなんだ。
『お前、何してんの?学校休んで。いいご身分だな』
『…考え事してた…』
『へぇ、嵐でも考え事するんだ?』
意地悪っぽく笑う紘人。さっきとは違う表情だ。
なにを抱えてる?
俺には言えないことか?
俺はポケットからあるものを取り出す。
それは、俺を悩ませた、生徒手帳だ。
そしてそれは紘人に向けて差し出した。
『これ、陽菜のだ。
陽菜は…慶汰を追ってここに来たんだろ?』
真っ直ぐ紘人を見つめる俺の瞳。
紘人は俺の手から生徒手帳を取り、静かにこう言った。
『お前はいいよな。嫌なことがあったら簡単に好きになるのをやめれて…俺はやめることすら出来ないのに…』
この言葉の意味は?
紘人、お前は一人で抱え込みすぎだ。