どこまでも、蒼く
それはどういう意味?
陽菜の気持ちが混乱するって?
それは、なんで?
『…なんでだよ?』
『陽菜さ、嵐のこと気に入ってんだよ。お前が休んでたとき、陽菜はずっと心配してたから。良かったな』
この言葉を言った、紘人の顔がどこか悲しそうだった。
本当にそんなこと思ってる?
本当は苦しいはずだ。
でも、俺は紘人の言葉が素直に嬉しかった。
陽菜が俺を気に入ってくれている?
この言葉があれば、何だってクリア出来そうだ。
『ま、まじ?』
『俺が嘘つくかよ。まじだって。俺、そろそろ帰るわ。あ…嵐、今の顔、鏡で見た方がいいよ。
服、さんきゅ』
一度にたくさんのことを言われて、俺の頭が混乱している。
紘人は乾いたばかりの衣服を着て、俺の部屋から出て行った。
それを追いかけるように俺も部屋を出ていく。
『傘、貸してやるよ』
『ありがと。遠慮なく借りてく。濡れんのやだし』