どこまでも、蒼く
不思議に思った俺は、馨に聞いてみる。
すると馨は無表情になり、俺と紘人を見つめる。眼鏡の奥の綺麗な瞳が、どこか悲しそうだった…
『俺的に…紘人とすばるが似てる。つかそっくりだな』
『…ごめん、意味がわかんない』
『俺も…』
馨が言っていることがワケ分からない。
紘人とすばるが似てるって?
どこが?
どれが?
なにが?
『すばるさ、あいつ普段すげぇ明るいけど、一人のときはすげぇ暗いんだ。いつも何か考えてる』
『…すばる…何考えてんの?』
急に秋風が冷たい風になった。
寒がりな俺は学ランだけでは足りない気がする。
『あいつの左手にあるペアリング、分かるか?』
そう、ずっと気になっていた。
それはすばるがいつもしている、左手のペアリング。
すばるから彼女はいないと聞かされていたのに、ペアリングがしてある。
俺はずっと不思議に思っていたんだ。
『…すばるは、昔…本当の妹を愛したんだよ…』