どこまでも、蒼く
そういえばすばると恋愛の話をしたことがなかったよな。
お前が話してくれねぇから、俺は知らないんだよ。
お前…辛い恋してんの?
なんで言ってくれなかったんだよ。
なんで…一人で抱え込むんだよ。
俺たち…仲間だろ?
俺は立ち上がり、屋上から出て行こうとした。
…その時、後ろから声が聞こえてきた。
その言葉を聞いて、反応をする。
『嵐、これはお前が渡せ』
呼び止めたのは紘人。
そして宙に舞う、なにか。
俺は手を伸ばして、紘人が投げたものをキャッチする。
…それは、生徒手帳。
名前は…愛する人。
『…え…?』
これは昨日紘人に渡したものだ。
また手元に戻る生徒手帳。
『それはお前から渡せ。お前なら…伝わるから』
『頑張れよ、嵐』
…紘人、馨。
ありがとう…。
俺は不器用だし、ちゃんと伝わるか分からないけど、勇気を出します。
お前に、必ず伝えるから。