どこまでも、蒼く
俺は屋上をあとにし、階段を駆け下りる。
すばるのいる場所へと。
きっとお前は、肩を震わせて泣いているはずだから。
…ほらな。
すばるを見つけるのは簡単だった。
人気のあまりない廊下の隅で体を小さくさせて座り込んでいる学ラン姿の少年。
あの色の抜けた髪の毛は、すばるしかいない。
俺はゆっくりすばるに近付いていく。
『…すばる。泣いてんの?』
俺の言葉に少しだけ体がびくりとするすばるの体。
『な…泣いてねぇよ。俺が泣くわけ…ないだろ』
すばるは立ち上がり、学ランで涙を拭う。
やっぱり泣いてんじゃねぇかよ。
『辛かったら泣けばいいじゃん。恥ずかしいことじゃないんだし』
こう言って、すばるの頭にぽんっと手を置く。
そしてその瞬間、すばるの瞳からは沢山の涙の雫が零れ落ちてきた。
お前は我慢しすぎなんだよ。
『…俺…あいつのこと幸せに出来たかな…』