どこまでも、蒼く


すばるが何でこう俺に聞いた理由は分からないけど、きっと答えを求めているんだと思う。

相手を幸せに出来たかって。

また、すばるの瞳からはきらりと光る、涙が落ちていった。


『お前なら出来たよ。』

俺が言った言葉は頼りないかもしれない。
けど、お前なら出来ると思ったから言ったんだ。すばる、お前は優しい奴だって知ってるから。



『俺さ、妹を好きになって分かったんだ。幸せって小さな幸せの積み重ねだって。それが大きくなって最高の幸せになるんだ…』


こう小さく笑って、涙を我慢するすばる。
この言葉が深く、俺の胸に突き刺さる。
そのせいで上手く息が出来ない。


幸せって、小さな幸せが積み重なって出来る。
だから、好きな人を見てドキドキしたり、手を繋いだり、キスをしたり…
そんな些細なことでも、ちゃんとした幸せの形なんだ。


あなたには分かる?


俺は、分かります。


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