どこまでも、蒼く


たとえ住みにくい世界でも…
たとえ法律で縛り付けられた世界でも…

光を与えることは簡単だろ?


すばるは幸せにならなくてはいけない。
こんなにも苦しい思いをしてるんだから。

神様、あなたはそこまで意地悪じゃないでしょう?


『なぁ、嵐…。
俺はこのペアリングをはずさなくても…いいよな?』


すばるはこう言って、左手の薬指をぎゅっと握った。
恋人の印のペアリングは、すばるの場合、禁断の恋を意味する。

こんなにも愛しているのに…はずさなくちゃいけない理由がどこにある?

どこにもないだろ?
だって、すばるは世界を敵に回す覚悟は出来ているのだから。


『…きっとその印がお前と妹をまた逢わせてくれると思う…だから無くすなよ』


すばるの頭をぐしゃっと撫でると、すばるは涙じゃなくて笑みを零すんだ。


幸せに…なれよ。



『俺…陽菜のこと幸せにするから…応援してくれるよな?』


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