どこまでも、蒼く
『嵐!人って変われるんだな。お前見て分かったよ。頑張れ』
背中を押された気がした。
《頑張れ》という言葉が胸に突き刺さった。
頑張れなんてあまり言われたことないから。
今まで頑張ることなんか何もなかったから。
頑張ることは恥ずかしいことじゃない。
俺はお前たちの声援があるから、頑張れることが出来るんだ。
頑張れは、時に重くて、頑張れは、時に勇気の出る言葉。
今の頑張れは、勇気の出る言葉だった。
『ちゃんと報告するから』
俺は照れくさそうに笑い、すばるから離れて行った。
正直、俺は伝えることが出来ないかもしれない。未経験だし、それに何て言ったらいいか分からないからだ。
単純に《好きです》でいいのか。
でも俺は知らなかった。表現なんて必要ないということを。
別に心に残るような告白なんてしなくていいんだ。
言葉を詰まらせてもいいんだ。
ただ、気持ちを伝えるだけでも、それだけで十分なんだ。