どこまでも、蒼く


単純に《好きです》の一言でもいいじゃねぇか。

ただ、それだけでいいんだ。


…授業なんか関係ない。今、俺にはしなくちゃいけないことがあるから。

静まり返る、廊下を俺は真っ直ぐに歩いていく。この廊下の先に、体育館があるからだ。
すばるがさっき言ってた。
陽菜が体育館の方に行ったと。

もういないかもしれないけど、一応行ってみる。

足元に視線を落とし、緊張と戦う俺。
手に汗を握って、必死に耐えていた。



『まじやっべぇ…』


なにがやばいって?
それはお前のことを好きすぎているから。

けど、俺がお前に会えるのは、ひとつの試練を乗り越えてからだった。


何故ならば、目の前には、今にも泣きそうな…


千夏がいるから。



『…千夏?』


驚きを隠せないでいる俺。
気のせいか、千夏の目が少しだけ腫れている。

それは、なぜ?



『…嵐…今から陽菜のとこ行くつもりなの?』



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