どこまでも、蒼く
~1.クールボーイ~
まだ夏の余韻が残る秋。俺はこの陽気な季節があまり好きではない。
木に沢山葉をつけた葉っぱは、散ることを喜ぶかのように、楽しそうに散っていくから。
黄色の鮮やかな色をした向日葵は、下を向いて枯れていくから。
それともう一つ─…。
この季節にお前と出逢ったから…。
俺はお前のことを忘れないよ─…。
低血圧な俺は朝が弱い。今日もお決まりのパターンで1日が始まる。
『嵐起きろ!!お前また遅刻する気かよ?!』
俺のベッドを足で蹴るのはこいつしかいない。
布団から少しだけ顔を出して、蹴る犯人を見る。
毎朝俺を起こす犯人は、襟足の長い茶色の髪の毛に、前髪から覗く綺麗な瞳。
これを美男子と呼ぶだろう。
思わず生唾を飲みたくなるほどの綺麗さだ。
俺は冷たい視線を彼に浴びせる。
『うるせぇな。毎日毎日…』
『うるせぇな、じゃねぇよ!!兄貴に向かって!!』