どこまでも、蒼く
覚えていたんだ?
だったら転校してきたとき《覚えている》って言ってくれれば良かったのに。
『あれは…』
弁解したくても言葉が見つからない。
だって本当のことだし…
『あの時、陽菜は思ったの。嵐はどんな顔をして笑うのかなって…。もう陽菜はその時に嵐に一目惚れをしていたのかな…?』
『え…』
陽菜から飛び出した言葉が俺の動きを止める。
目を見開いて陽菜を見ると、照れくさそうな表情をする陽菜がいた。
なんて、言ったの?
『陽菜…嵐の写真を撮りたいです。嵐のいろいろな表情を見てみたいです。…だから協力をしてくれますか?』
…この時、俺は幸せだと感じた。
陽菜を好きでいることも幸せだったけど、この時はなにかが違った。
すばるが言った言葉を思い出す。
《最高の幸せは小さな幸せの積み重ねなんだ》
…俺は今…
最高に幸せです─…