どこまでも、蒼く


考えていなかったと言っておこう。
考えつくはずもないよ。


『ずっと、一緒な…』


こう言って、俺は陽菜を抱き寄せる。
初めて陽菜に触れた。
陽菜の華奢な体は、強く抱きしめたら折れてしまいそうなくらい細かった。

けど、温かい。


ずっとこうしていたいよ。


ずっと幸せが続いて欲しい。

この幸せが消えないで欲しい。


大好きだから。


たとえ陽菜の転校の理由が慶汰でも陽菜は俺のことを好きだと思っている。
だって言ったじゃないか。
一目惚れをしたって。

あれは嘘じゃないだろ?

陽菜、陽菜─…。


愛しさが込み上げる。


すると陽菜が顔を上げて俺の耳にそっと近付ける。

どきっと反応をする体。

そして陽菜は耳元でこう囁いたんだ。





『陽菜、嵐のこと超好き…』





お願いします…。
この幸せを奪わないでください。


もし、俺の前から陽菜が消えてしまったとしても…俺は陽菜を想って、


空を見上げる─…。


この日陽菜とみた空の色を思い出して、この日とそっくりな空の色を、
俺は今でも探している─…。



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