どこまでも、蒼く
~8.冬の海辺~
あの時の空の色を今でも覚えている。
青く透き通る空は、俺達の上に確かに存在した。
陽菜と気持ちがひとつになって、最高に幸せだったんだ。
…そんな日から1ヶ月が経った。
もう季節は冬になりかけている。
あんなに気持ちが良かった秋風も、今では感じられない。
北風が俺の体を震わせる毎日。
けど学校に行けば陽菜に会える。
それだけで十分だ。
あの日、俺達の記念すべき日、すばると馨と紘人報告をした。
三人とも笑顔で祝福をしてくれた。
けど心のどこかで紘人に遠慮をしている自分がいる。
でも紘人が俺に言ってくれたように、俺は陽菜とを守るんだ。
あれから、陽菜とは常に一緒。
千夏のことも気になったけど、千夏とは普段通り、仲の良い友達のまま。
毎日が幸せに溢れていた。
崩れることなんて予測不可能だ。
こう思っていたのは俺だけかもしれない。