どこまでも、蒼く
『進路希望なんてめんどくさくね?』
『そう?大切なことだよ?』
陽菜の言葉を聞いた俺は、なにかに気付かされる。
確かに自分の進路はとても大切なこと。
将来がかかっているから。
陽菜の言葉に目覚めた俺は、転がっていたシャープペンシルを手に持って、第一志望の欄のところに文字を書いていく。
陽菜、言ったよな?
俺の描く絵は素敵だって。
俺はその言葉にすごく励まされたんだよ。
俺が書いた学校名は…
東京にある美術大学だ。今の俺には無理かもしれないけど、高望みくらいはさせてくれよ。
本格的に絵を勉強したいんだ。
そしていつか俺が描いた絵を陽菜にプレゼントしたい。
そう約束をしたから。
『嵐、お前美大いくの?』
すると突然、前の席の馨が振り返り、俺の進路希望調査の紙を覗く。
見られたと思い、慌てて紙を隠すが、馨の声はすばるにも、陽菜にも紘人にも聞こえていた。