どこまでも、蒼く
見られたくなかったのに…。
だって笑われると思ったから…。
『は!?嵐が美大?』
やっぱりすばるは期待通りの反応をする。
俺は、はぁ…と溜め息を漏らして、すばるを鋭い目で見つめた。
『悪いかよ?』
『全然悪くねぇよ?だって嵐、すげぇ絵上手いし!俺、時々授業中に絵を描いてる嵐を覗き見してたんだぜ!』
『ストーカー…』
すばるの発言に馨はぼそっと呟いた。
俺が絵を描いていたこと、知ってたんだ…
なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ。
『へぇ、嵐って絵上手いんだ?』
すると紘人が疑うかのような口調で言葉を並べる。
確かにこの外見からじゃ、絵が上手いとかは分からないと思うけど…。
『ほら、やっぱり嵐はすごいんだよ。美大、頑張ってね』
場を和ませるような陽菜の言葉は、俺をやる気へと繋がせる。