どこまでも、蒼く
あれも嘘なの?
昔の俺だったら『勝手にすれば?』と言って、相手を突き放しただろう。けど今は違う。
陽菜と離れたくないよ…
『それってもう変えることは出来ねぇの?』
『多分無理だよ…。転校するだけでもあんなに怒っていたんだから…』
ぎゅっと唇を噛む陽菜。泣くのを堪えているようだ。
そんな陽菜を見てしまったら、怒ることなんて出来ない。
陽菜もきっと辛いんだよね。
『しょうがねぇよ。遠くたって俺達は大丈夫だからさ』
この言葉は陽菜を安心させる言葉でもあり、自分自身を納得させる言葉でもあった。
『そうだよね。東京と名古屋なんて新幹線で2時間もかからないしね…』
小さく笑う陽菜。
陽菜、その笑顔は心の底から笑っていないくらい分かるよ。
大丈夫。
俺達は大丈夫だよ。
携帯だってあるし、
愛だってある。
それに、空だってあるじゃん。