どこまでも、蒼く
東京の空も、名古屋の空も同じだよ。
ずっと繋がっているから…。
『じゃあ、紘人も名古屋に帰るってこと?』
『いや、俺はここに残るよ?こっちで勉強したいことあるし』
なんで紘人がここに残ることを許されて、陽菜はダメなんだよ。
お前たちの親の考えはどうなってんだよ。
『…なんでお前だけいいんだよ…』
『ただ単純に、親父が陽菜を溺愛してるってこと』
それを聞いた俺は、背筋がぞっとする感覚に陥った。
『陽菜があぶねぇ!!』
『嵐、お前おもしれー』
なんか、不安になってきた。
違う意味で。
笑う紘人。
紘人につられて笑う陽菜。
一人だけ焦りを感じる俺。
あと少しで、俺は陽菜になにを残せるのだろう?
『そういえば、すばると馨は?』
『俺は、海外の大学。親父の命令』
こう欠伸をしながら言うすばる。
『俺は、隣県の大学。』
眼鏡をくいっと上げて言う馨。