どこまでも、蒼く
この日のことを…
俺は永遠に忘れなくてもいいよね?
陽菜の笑顔を見ていると、どうしても近くで見ていたいと思う俺がいた。
俺は靴を脱いで、靴下を脱いで、陽菜と同じことをしていた。
今日くらい子供に戻ったっていいだろ?
靴下を脱いだ瞬間、今の季節に実感させられる。
やっぱり、寒い。
『さむ…』
陽菜に近づいて、片足を海に入れる。
海の温度は想像以上に冷たい。
蛇口を捻れば出てくる水より冷たい気がする。
『やばい…冷たっ…』
『でも気持ちいいよ。陽菜はこれくらいが好き』
足で海を蹴る陽菜。
飛び散る雫が、夕日色に染まる…。
俺は少し先に進み、海を覗く。
綺麗…まではいかないけど、なんとなく浜辺が見える。
見ているとなんだか楽しくなってきて、一人ではしゃいでいた。
『嵐、こっち向いて…』