どこまでも、蒼く


地平線に太陽が沈み始める頃、俺達は浜辺に座って、それを見ていた。

その時、陽菜はこう口にした。

俺に空と海の関係を聞いてきたんだ。

意味がさっぱり分からない俺は、首を傾げることしか出来ない。


『どういう意味?』



『陽菜ね、ずっと思っていた。空と海はひとつなんだって…』



海の波の音は鳴り止むことなくずっと響き渡る。癒され続ける心は、どこへ向かっているのだろう?


『ひとつ?』


『うん、そう。ほら、空と海って同じ色をしているじゃない?』



陽菜はこう言って、夕日色に染まる空を指差した。

今の空の色は、オレンジ色で、海も空と同じオレンジ色をしている。


天と地…。
空と海はかけ離れているけれど、同じ色をしている。


例えばこれが夜だったら、空は暗く染まり、海も暗く染まる。


陽菜はこういうことを言っていたのだ。



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