どこまでも、蒼く
どくんと脈打つ鼓動。
陽菜の言葉が体中を駆け巡る。
空と海は恋人同士。
どうしてそんなことを思ったのだろうか?
『…なんで?』
『こうして見ると、隣にいるみたいだから…』
確かに、陽菜の言っていることは間違っていない。
地平線が海と空を区切っている。
海と空には隙間なんかなくて、まるで寄り添っているように見える。
このことを知った俺は、感動して言葉が出なかった。
少しだけ瞳が潤ったことは内緒。
空と海は恋人同士なんだ。
たとえ遠くにいたとしても、同じ色に染まり、見方を変えれば隣にいる。
俺は空と海が羨ましかった。
こんな風になりたいと思った…。
陽菜と、いつも同じ色に染まっていたいって思ったんだ…。
『す…ごい…』
やっとの思いで言葉が出た。
けど途切れ途切れで、自分でも聞き取れないくらい動揺している。