どこまでも、蒼く
ありがとう。
今日ここに連れてきてくれて。
今日からここは、俺の思い出の場所になりそうだ。
『だからね、嵐。卒業して離れ離れになっても、空を見上げてね…』
その理由は─…?
もし俺が海だったら空は陽菜で、
もし陽菜が海だったら空は俺。
いつも隣にいる…。
『ずっと見上げるよ…』
沈んでいく太陽は、俺達の情熱のように燃え上がっているように見えた。
煌めく、海の光は、
俺の希望にも見えた。
陽菜、約束だよ。
結婚したら、海のある街に住もう。
そしたら空を眺めることはなくなるはずだから。これからは海を眺めればいいのだから。
俺はお前を最後の女にしたいと思っている。
浜辺に出来た無数の足跡は、いずれ消えてなくなるだろう。
けど、俺はお前と過ごしてきたかけがえのない思い出は、決して波に奪わせないから。
だから、ずっと一緒に…