どこまでも、蒼く
~9.好きだから~
海は、俺の心を綺麗にしてくれた。
俺の決意を固めてくれた。
海は、どこまでも続く。
空は、どこまでも続く。
空と海は、
果てしなく続く…。
『嵐、走ろっか…』
陽菜は立ち上がり、砂を手で祓う。
そして俺に手を差しのばしてきた。
俺は陽菜を見つめて笑顔になり、陽菜の手に自分の手を絡ませる。
そして、海へと駆け出した。
弾く、水しぶき。
その度、その雫が煌めく。
まるで子供に戻ったかのように、はしゃぎ回った。
水に濡れた浜辺は、高級な絨毯よりも、気持ちがいい。
けど、足跡はすぐに奪われる…。
他人から見たら可笑しなカップルだと思われるだろう。
こんな季節に海に足をつけているのだから。
けどそんなの関係ない。
だってこうしていたいのだから…。
『嵐の未来には陽菜がいるかな?』
突然陽菜は俺を抱きしめて、小さな声でこう言ってきた。