どこまでも、蒼く
この時の陽菜の声が、どこか寂しそうで…。
俺はゆっくりと陽菜を包み込んだ。
『いるに決まってんだろ?』
お前がいなくちゃ未来なんてつまんないよ。
俺はお前が必要だ。
でもひとつ願いが叶うなら…、こう願うだろう。
《未来なんかいらないから、俺たちをこの世界から連れ出してくれ》って。
そしたら未来にお前がいなくても、ずっと一緒にいられるような気がするんだ。
この世界は広いけれど窮屈で…。
人間は儚いもの。
なにか事件が起こると、自分の気持ちでさえ見失ってしまうのだから。
感じる陽菜の胸の鼓動。そして陽菜の温もり。
愛を確かめた。
そう思ったんだ─…。
『陽菜ね、早く結婚したいんだ!20歳までには結婚して、子供欲しいの!』
陽菜は最高の笑顔を見せてこう言う。
その姿が愛しい。
『20歳?早すぎじゃん。しかも陽菜の小さな体で子供産めんのかよ?』