どこまでも、蒼く


遠くから見ても大きいと思った観覧車は、近くで見るともっと大きくて、遠近法の凄さは恐ろしいと思った。


俺と陽菜は、口を開けて見上げていたに違いない。
田舎から都会に出てきた時のように、そんな幼さで。


『陽菜、乗ろ!』


『うん!!』



俺たちの向かう先には必ず何かがあって、それが無くなることはないと思っている。

この先も、未来も、
俺たちの向かう先にはまだ知らない何かが存在しているんだ。


でも今、俺たちが向かう先には大きな観覧車がある。


ゆっくりだけど天に向かう観覧車は、どこか立派に見えた…。



観覧車の乗り場に行くと、少しだけ行列が出来ている。
並ぶ人たちは皆カップル。
そんな光景を見た俺はちょっと嬉しくなった。


俺たちもカップルって思われているのかな?


なんてね。



『この大観覧車は、恋人同士で乗って頂くと、永遠の愛が保証されると昔から伝えられています』


< 248 / 329 >

この作品をシェア

pagetop