どこまでも、蒼く
遠くから見ても大きいと思った観覧車は、近くで見るともっと大きくて、遠近法の凄さは恐ろしいと思った。
俺と陽菜は、口を開けて見上げていたに違いない。
田舎から都会に出てきた時のように、そんな幼さで。
『陽菜、乗ろ!』
『うん!!』
俺たちの向かう先には必ず何かがあって、それが無くなることはないと思っている。
この先も、未来も、
俺たちの向かう先にはまだ知らない何かが存在しているんだ。
でも今、俺たちが向かう先には大きな観覧車がある。
ゆっくりだけど天に向かう観覧車は、どこか立派に見えた…。
観覧車の乗り場に行くと、少しだけ行列が出来ている。
並ぶ人たちは皆カップル。
そんな光景を見た俺はちょっと嬉しくなった。
俺たちもカップルって思われているのかな?
なんてね。
『この大観覧車は、恋人同士で乗って頂くと、永遠の愛が保証されると昔から伝えられています』