どこまでも、蒼く


するとアナウンスからこんな言葉が聞こえてきた。
丁寧な口調で話す女の人の声は当然のように録音なのだけれど、何故か信用してしまう俺がある。

だってこの人数のカップルだぞ?


信じなくてはいけないような気がする。


それに《永遠の愛》という言葉にも魅力を感じる。



『永遠の愛だってさ』



笑いながら陽菜に言うと、陽菜は照れ笑いをしてこう言う。



『素敵だね。陽菜、欲しいな…永遠の愛…』



どくん…。


自分でも分からない。
どうしてこの時、心臓が大きく弾んだのか。


観覧車の蛍光灯で照らされる陽菜の横顔が、とても美しかったことだけは分かる。


でもそれ以外にも理由があったんじゃないかな…

《永遠の愛》


言葉にするのは簡単だけど、実際はとても重い言葉だった─…。



そして順番がやってくる。



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