どこまでも、蒼く


俺は自分の席に座り、
カバンを床へと落とした。
軽いカバンは疲れをとるように、ぐったりと倒れている。
俺に使われて嫌なのだろう、とふと思った。


『ねぇ、嵐?昨日何してたの?あたし電話したのに』


千夏が空席に腰を下ろし、くるくるの毛先をいじりながらこう言った。


そういえば昨日の夜、何回も携帯が鳴っていたっけ。
でも基本電話に出ない俺は無視をしていた。
だって、意味ないと思うから。
明日も会う人とどうして話さなくてはならない?
疑問で仕方がない。


『昨日?特になにも…』

『嵐は昨日俺と遊んでいたんだよな!!』


すると俺の言葉を阻止するかのように、間からすばるが乱入してきた。

偽りの言葉を並べて。

俺は眉間に皺を寄せて、八重歯をちらりと見せて笑うすばるを凝視した。

なに言ってんだよ?

ほら、馨が驚いて小説を読むのをやめてるじゃねぇか。


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