どこまでも、蒼く
この思い出は永遠に忘れないだろう─…。
…そして時は流れ、俺は陽菜と一緒に沢山の日を過ごしてきた。
もう季節は冬で、街はクリスマスカラー、一色となる。
冬休みまであと一週間ほどだ。
この季節、学ランでは寒すぎる。
マフラーが必需品になっている。
もう卒業まであと少しで、陽菜との別れもそれと同時に近付いている。
けど寂しさには慣れた。
慣れは怖いものだと今ようやく気づいた気がする。
『でさ、嵐は進路とか決めたのかよ?もうそんな時期だろ?』
そして今日の朝は、何故か慶汰と朝食を食べている。
不思議な光景だろう。
俺たちは毎日一緒には朝食を食べないのだから。
慶汰は目玉焼きを皿の上に置いて俺に差し出す。
腹が立つくらい綺麗な丸をした黄身は、まるで満月のように見えた。
俺は醤油を取って、それを目玉焼きにかけていく。