どこまでも、蒼く


そんなこと自分がよく分かっている。
今の偏差値で美大には行けないことくらい。
けど美術は、学力より才能で評価されると思っている。

才能はないかもしれないけど、チャレンジするのも悪くはないだろ?



『そういえば、すばる?お前海外行くんだよな?前に親父の命令って言ってなかったっけ?』



欠伸をしている真っ最中のすばるに俺は質問を投げかける。
すばるは欠伸をし終えたらすぐに、俺に返事を返した。



『そうそう。海外に行くよー。けど親父の命令は無視した。俺は違うことしたいし』



『違うこと?』



『語学の勉強ですよ?』


ピースサインをして答えるすばるがどこか輝いてみえた。
太陽のせいかもしれないけど、親の反対を押し切って、夢を目指す少年に、少しだけ見とれてしまったのだ。



やっぱり卒業したらみんなバラバラのようだ。


残りのスクールライフをどのように過ごそう?



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