どこまでも、蒼く


すばるは突発的過ぎる。どうしてそんな変な嘘をつく?

昨日俺はお前と遊んでねぇし、ずっと家にいたけど?

理解、出来ない。


『なんだ、すばると遊んでたんだー。それじゃ電話に出れないよね!』



すばるの言葉を信じた千夏は、残念な表情を押し殺して、笑った顔を見せる。
今から弁解するなんて面倒くさいと思った俺は、『ごめん』とだけ言って、再びすばるを見た。


すばるは《ごめん》という表情を俺に見せてくる。


もうどうでもいい。


小さく溜め息を零して、空を見上げた。


真っ青な空。
どこまでも続く白い雲。
どこに向かっている?
俺も一緒につれていってくれないか?

この世界に飽きたから。もっと違う世界を見てみたい。


『千夏ー、ちょっと来て!』


するとクラスの誰かが千夏を呼び、千夏はその人たちのところへ行ってしまった。

再び空席になった席は、どこか…悲しそうだった。



< 27 / 329 >

この作品をシェア

pagetop