どこまでも、蒼く
すばるは突発的過ぎる。どうしてそんな変な嘘をつく?
昨日俺はお前と遊んでねぇし、ずっと家にいたけど?
理解、出来ない。
『なんだ、すばると遊んでたんだー。それじゃ電話に出れないよね!』
すばるの言葉を信じた千夏は、残念な表情を押し殺して、笑った顔を見せる。
今から弁解するなんて面倒くさいと思った俺は、『ごめん』とだけ言って、再びすばるを見た。
すばるは《ごめん》という表情を俺に見せてくる。
もうどうでもいい。
小さく溜め息を零して、空を見上げた。
真っ青な空。
どこまでも続く白い雲。
どこに向かっている?
俺も一緒につれていってくれないか?
この世界に飽きたから。もっと違う世界を見てみたい。
『千夏ー、ちょっと来て!』
するとクラスの誰かが千夏を呼び、千夏はその人たちのところへ行ってしまった。
再び空席になった席は、どこか…悲しそうだった。