どこまでも、蒼く
紘人は困惑した表情を少しだけ見せたが、すぐに切り替えをし、両隣にいる彼女たちに『ごめんね』と形だけ謝って、俺の方へと歩いてきた。
『なに?』
『ここでは無理。すばる、馨と先に行ってて』
『…ん、分かった』
すばると馨には悪いことをしたと思うけど、このことを話せるのは紘人しかいない。
それに俺をきつく叱ってくれそうだから。
俺は人気のない体育館の裏へと足を運ぶ。
もうそろそろ朝練が終わる時間だろうし、都合がよい。
紘人はなにも言わずに俺のあとについてくる。
『やっぱり嵐にはそういう趣味が…』
『ねぇから!どうしてそうなるんだよ!ま、座れ』
ここは以前、陽菜と結ばれた場所でもある。
陽菜が前に座っていたところに紘人は座り、『さすが双子だ』と納得してしまった俺がいた。
『で?なに?』
『俺、言おうと思う。
慶汰が俺の兄貴だって』