どこまでも、蒼く


やっぱり突然言われて驚くのも無理はないか。
案の定、紘人は言葉を失っている。


寒い北風が、俺たちの真正面から吹いてくる。
唇が紫色にならないか心配してきた。

だってかっこ悪いじゃん。



『言ってどうなんの?』


冷静な口調で話す紘人。俺も冷静になって話を進めていく。



『陽菜は慶汰のことを憧れだって言ってたし、恋愛感情なんてなさそうだから、《ありがとう》くらい言わせてもいいんじゃないかって。陽菜は慶汰に礼を言うためにここに来たんだろ?』



はぁーと温かい息を冷えた手に当てる。
その温かさはすぐに消えてしまうけど、ないよりはマシだ。



『確かに、陽菜は慶汰に礼を言うために来たかもしれねぇけど、嵐、お前はまだ何にも分かってねぇよ』



紘人の言葉を聞いた俺は、理解をすることが出来ないでいた。



何にも分かっていない?
他に何があるっていうんだよ?


陽菜にとって慶汰は憧れだろ?




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